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民法学者・我妻栄先生


08092弁護士の渡邉です。

あれ?と気づけば,2021年も既に12分の1が終了。

春の立つ日ももうすぐですが,クリスマスよりもイブにスポットライトがあたりがちなように,立春よりも前日の節分の方がフューチャーされがちです。

そして今年は例年以上に,節分がアツい!

この35年間ずっと,2月3日を自分の居所として定めていた節分ですが,今年は何と2月2日にお引っ越し。

124年ぶり,2月2日の節分です(※ちなみに36年前は,2月4日が節分でした)。

(なお,節分が2月2日にずれるということは,当然,節分の翌日の立春の日取りもずれるわけで,実は今年は立春もアツい!のです。)

 

124年前といえば,ずばり,我妻栄(わがつま・さかえ)先生という,法学界に燦然と輝く金字塔・伝説の大民法学者のお誕生年。

「いやいや1世紀以上前の法律学者でしょ?この前120年ぶりに民法も大改正されたし,さすがにもう単なる伝説でしょ?」と思われた方は是非一度,honto(※amazonでもよいのですが,レモンジュースを飲みながら梶井基次郎気分を味わいたいならhontoがおススメです)にて,「我妻栄」のお名前でご検索ください。

なんと本年3月,民法大改正にも対応した我妻先生の最新刊「我妻・有泉コンメンタール民法 第7版 総則・物権・債権」(最新の民法条文の解説本)が発売予定です。

*画像は,現在販売中の第6版のものです。

 

もちろん我妻先生は,50年ほど前に鬼籍に入られています。

では何故,最新刊の著者なのか。

 

法律とは,実は条文だけで完結しているのではなく,氷山のように底部には深い世界が広がっており,これが法律の条文を支え,時には逆に条文を変えていきます。

この背後の世界を開拓し,整地をし,不要な部分を削り取り,そうこうしている内に一部が自然崩落し,整地し直し,さらに別の場所を開拓し,岩盤にぶつかり…というのが法学の終わらない営みです。そして現在目にすることができる法律の世界の景色の多くは,この営みの中でなされた偉大なる先人の開拓によっています。

 

上記の我妻先生のご著書には,共著者がいらっしゃいます(有泉亨先生・清水誠先生・田山輝明先生。なお,有泉先生と清水先生も鬼籍に入られています)。

すなわち,最新版で記載内容を時代の最先端にあわせてアップデートされた方のみならず,その以前の版を書かれた開拓者たちのお名前が著者として挙げられており,その先陣を切られたのが我妻先生なのです。

(※なお,以上は渡邉の個人的見解で,出版社である日本評論社の公式見解ではありません)。

 

というわけで,今年の節分は,翌月に届くコンメンタールを楽しみにつつ,事務所から福まきとして配られる(予定の)恵方巻きを頬張ってがっつり福を呼び込む予定でおります。

皆様もどうか良い節分を。福は内!