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Archive for 6月, 2014

はずれ馬券裁判(税務訴訟)の近況

木曜日, 6月 12th, 2014

馬券の払戻しによる所得について多額の課税がされている件については,先日,大阪高裁で判決が言い渡された刑事事件とは別に,国を被告として,課税処分の取消しを求めている税務訴訟が大阪地裁に係属しています。

この税務訴訟については,本年6月10日弁論終結となり,判決期日が,10月2日(木)午後1時10分と指定されました。

争点は,

① 本件における馬券の払戻しによる所得が,「雑所得」か「一時所得」か

② はずれ馬券の購入費も「必要経費」に該当するか

③ ①,②で原告の主張が認められれば,本件課税処分は実際の所得の何倍もの著しく過大な課税処分をしたものとなる。その場合,「課税の根幹に関わる重大な違法」があるとして全部無効となって全部取消の判決がなされるのか,それとも,実際の所得に対応する課税の部分に関しては適法なものとして,一部取消判決にとどまるのか。

④ ①,②で原告の主張が認められ,かつ,③で一部取消判決にとどまるならば,原告は所得税について一定の納税をする義務があることになる。それに加えて,原告は,無申告加算税も負わなければならないか。すなわち,国税当局が誤った法解釈をしていた状況や馬券による所得については事実上ほとんど課税がなされていなかった状況に鑑み,原告が確定申告をしなかったことについて,「正当な理由」が認められるか否か

です。

大阪高裁の刑事判決は,税務訴訟でも証拠として提出しています。

税務訴訟でも,大阪地裁で適正な判断がなされることを期待しています。