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軍師と弁護士


C-1-1黒田孝高.aiNHKの大河ドラマの「黒田官兵衛」が新しく始まりました。

画像は,福岡市博物館所蔵の黒田如水(官兵衛のこと。以下,「如水」で統一します。)の肖像です。

私は,小中学生のころから,歴史物が大好きで,横山光輝の漫画「三国志」や,その原作である吉川英治の「三国志」,また,司馬遼太郎の戦国時代・幕末の舞台にした小説を何度も読みました。

その中では,やはり諸葛亮孔明などの軍師にあこがれていました。

黒田如水(官兵衛)も,司馬遼太郎の「播磨灘物語」を読んで以来,一番好きな戦国武将でした。

頭が良すぎて秀吉がひいた。」というキャッチコピーもあるそうですが,今回の大河ドラマにも大いに期待しています。

また,黒田如水は,キリシタン大名として有名ですが,キリスト教が秀吉によって禁教になってからは,表向き信仰は捨てたように見せかけていたそうです。

しかし,「如水(じょすい)」という隠居名は,旧約聖書の登場人物であるモーセの後継者の「ヨシュア」のスペイン語名の「ジョスイ」と一致し,実は信仰を捨てていなかったという説もあるようです。

ヨシュアは,当時のユダヤ人を率いて今のイスラエルの地を攻め落としたことから,城攻めの名人ということもあって,黒田如水が自分にぴったりだと思ったのかもしれません。

名前の付け方からして,こういう人を食ったようなエピソードは,正に策士らしいという感じがします。

さて,弁護士の仕事も,「軍師」,「参謀」の仕事によく似ています。

企業の経営にあたって,法律的観点からアドバイスをしますが,未然にリスクを防ぐために,どのようにすれば売掛金を確実に回収できるか,従業員とのトラブルを防ぐことができるか,また,不当な要求がなされた場合にどのように撃退するか,紛争を有利に解決するためにはどうするかなど,いろいろと知恵を絞ります。

これらは,戦国時代の軍師が,軍資金や兵糧の調達を的確に行い,兵士をうまく管理し,巧みな作戦を立てて敵に勝利するところと,一致していると思います。

優秀な軍師ほど,主君に対して耳の痛い意見を言うので,黒田如水のように時には不遇をかこつこともあったようです。

弁護士の意見は,やれ法律をきちんと守れとか,コンプライアンスが大事だとか,余計なことだと思われる経営者の方もおられるかもしれません。

しかし,堅実に企業を成長させるために,あえて耳の痛いアドバイスをしているのだと理解してもらって,そのような弁護士こそ,軍師としての利用価値があるのではないでしょうか。