カルテル規制とリニエンシー
本年9月に,共著として「カルテル規制とリニエンシー-課徴金減免制度の考察と活用」を三協法規出版より,上梓しました。
カルテルとは,価格カルテルなどのように,複数の企業が独占禁止法に違反して協定を結ぶことですが,その事実について,公正取引委員会に申告(いわば自首)することで,多額の課徴金の減免を受けたり,刑事訴追を免れる場合があります。これをリニエンシーといいます。
リニエンシー制度を解説した書籍はいくつかありますが,今回出版された上記書籍は,最新の情報が記載されている上,非常に実務的でわかりやすくなっています。
私が執筆を担当した部分は,
①カルテルは,どのようにして発覚するか(89~95頁)
②社内調査を行なうときの具体的な留意点(115~127頁)
③刑事事件となった場合,あるいは刑事告発されないための対応策や,行政処分への対応について(194~296頁)
です。
特に,①では,どういう段階で弁護士に相談すべきか,また,②では,証拠の集め方や関係者からの事情聴取の仕方といった具体的ノウハウ,③では,刑事弁護人としてどんな働き方をすべきか,ということについて踏み込んで解説しました。
企業の経営者や監査役,法務担当者の方,あるいは,独占禁止法に興味をもっておられる大学生,ロースクール生,司法修習生の方に大いにご参考になるものと思っています。